2010年12月27日

ギトリスのコンサート

少々前のお話ではありますが・・・
19日に、名古屋までギトリスのコンサートを聴きに行ってきました。
イヴリー・ギトリスさん、今年88歳(米寿!)のバイオリニストです。
この歳で、飛行機に乗っての長旅をこなし、演奏活動を続けられている、、、これだけでも、尊敬、ですが、楽しませる事にかけては名人芸の演奏を楽しみに、行ってきました。

当日のプログラムは次の通りでした。

ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 Op.11-1
   ヒンデミット
ヴァイオリン・ソナタ イ長調
   フランク

ピアノ・ソナタ Op.8 ハ短調 悲愴
   ベートーヴェン
F.A.E ソナタよりスケルツォ
   ブラームス
6つのロマンスより
   ミシェル・ルグラン
愛の悲しみ
   クライスラー
ヴァイオリン・ソナタ Op.5 春 より第1楽章
   ベートーヴェン
シシリエンヌ(シチリア舞曲)
   パラディス
シンコペーション
   クライスラー
浜辺の歌

最初、ヒンデミットのソナタは、楽器が暖まっていない感じもして、少々物足りなさもありましたが、フランクのソナタの途中からは、演奏ものってきて、彼のストラドも鳴り出し、ギトリスワールド全開。
大音量ではないけれど遠くまで通る音で、独特の音色、ビブラート・・・、知ってる人が聴けば、一発でギトリスって分かる演奏です。
同じように弾いてレッスンしたら確実に先生に怒られるだろうし(できないけど!)、コンクール受けしないこと間違いなし!のアクの強さではありますが、ホント、楽しかった。

マイクを持ってMCしてみたり、汗フキにも松脂落としにも眼鏡フキにもなっちゃう丸まった白いハンカチだったり、演奏が終わった楽譜を投げ捨ててみたり、譜面台を蹴ってみたり・・・演奏以外にも随所で聴いてる人たちを楽しませる名人芸の数々。
アンコールの最後、定番の浜辺の歌では、観客も一緒に歌っちゃって、そうしたら、わざと歌い難いように、リズムや調を変えたり、、、最後は弾きながら舞台袖に引っ込んで。。。。
最高におちゃめな爺さんでした。

あと3年で、使用されているストラドが300歳!だそうですが、それをお祝いできるコンサートを聴く事が出来たら嬉しいなぁ、お体を大切に!

あ、ちなみに、悲愴は、もちろんギトリスさんではなく、伴奏の方が演奏されていましたですが、これもまた、素晴らしかったです。
posted by かとう at 18:59| Comment(0) | バイオリン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月14日

イザイモデルで作って頂いた理由

前回ご紹介した、新しく相方となったバイオリン。
発注後、実際に製作がスタートするまで、2年程の時間がありました。
その間、製作者である菊田さんと直接お会いしたり、メールでのやり取りをさせて頂く中で、制作して頂く楽器の仕様を決めていったのですが、その辺りの経緯を書いてみようと思います。

製作をお願いしてから1年程経った頃、菊田さんとお会いする機会があり、この時、おおまかに次のような事を決めました。

・裏板は1枚板(嫁さんの好みで)。
・フィッティングは柘植(同じく、嫁さんの好み)。
・ニスは、あまり濃くない色で。
・ネックの仕上げや形状は、太すぎず中庸で(私の指や腕の長さも勘案して)。
・楽器のモデルは、実際に製作にかかる直前までに決定。

ただ、最近、良質の木がだんだん手に入れ難くなっているらしく、2枚板の方が良い材質の木を選びやすいらしいのです。
それで、菊田さんがストックされている1枚板を探して頂き、もし、2枚板で制作した方が良いと判断されれば、1枚板には拘らないとお伝えしました。

さて、月日は流れ、実際に制作して頂ける順番が近づいて来たと連絡があったのが、昨年末。
この時、モデルを選ぶことになったのですが、ココで結構悩みました。

1。菊田さんは、普段ストラドモデルを中心に製作されています。そうすると、慣れている分、仕上がりを予想しながら作って頂きやすいのはストラドモデル?
2。でもでも、せっかく作って頂くのであれば、少し変わったモデルでオーダーしても面白いと思う。
3。ストラドモデル、王道のデザインではあるのですが、アウトラインが少々いかり肩で、ココは少しなで肩のほうが好み。
4。過去に菊田さんが作ったモデルの中では、アマティモデル、ガリンベルティモデル、ガルネリ・デルジェス”カノン砲”モデルなどがなで肩です。
5。カノン砲モデル、私には、スクロール(バイオリンの先の渦巻き)とエフ字孔が少々ワイルドすぎるように感じる。
6。以前、日本音楽財団のコンサートに行った時にもらったパンフレットに、同財団所有の楽器が写真で紹介されていて、その中のデルジェス製作の”イザイ”という愛称の楽器、見れば見る程惹かれるものがあった。カノン砲と比べ、少々おとなしめのスクロールとエフだが、それでも、ストラドのエレガントさとは違う迫力を感じる。

・・・そんな事をとりとめもなく考えながら、菊田さんに相談してみたのですが、
「どのモデルでもOKだし、イザイも魅力的なモデルなのでよろしければ是非」とお返事がありました。
製作者の方が、ノッてくれるオーダーである事も大切だと思っていましたので、このお返事をいただいて、迷わずイザイモデルでお願いする事にしたのでした。

この時、菊田さんからの要望として、

1。完全コピーではなく、あくまでイザイをベースに菊田さんのスタイルで制作する事。
2。ニス塗りも、オールド仕上げではなく、あくまで新作として仕上げる事。

元々、私もそのようにお願いするつもりでしたので、問題なし。

・・・このような経緯で、新しい楽器は制作されることになったのでした。

あ、ちなみに、楽器の”音色”に関しては、一つだけ。
「菊田さんが考えるベストを直球ど真ん中で」
posted by かとう at 18:50| Comment(2) | バイオリン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月01日

ガルネリ・デルジェス ”イザイ”モデル

新しいバイオリンがやってきて,2週間ほど過ぎました。
この楽器、少々小振りなサイズだからか、丁度良く体に収まる感じがして,弾きやすいのです。
徐々に慣れてきて、音も出せるようになってきましたが、まだまだ、楽器から色々と教えられている毎日です。

イザイ表
少々マニアックではありますが・・・
このバイオリンは,一般的なモデルであるストラディバリではなく,ガルネリ・デルジェスが製作した”イザイ”という愛称の楽器をベースに作られたものです。
本物のイザイ同様、少し小さめな楽器です。
小さめ、といっても、標準的な寸法に比べて箱の長さで2mmほど短いだけなのですが、手に持った感覚は結構違います(箱の横方向の幅も少し狭いこともあるかと思います)。
エフ字孔(アルファベット小文字のf型に切ってある穴)のデザイン、ガルネリ型はストラドより直線的(ここはバイオリンを見慣れていないと分かりづらいですが・・・)

イザイ駒

実はこの楽器、お店に行って在庫の中から選んだのではなく、製作者の方にオーダーし、作って頂いたものです。
駒の焼印で製作者のお名前が分かりますね、、、

お願いしたのは、菊田浩さん。
イタリアのクレモナという町で、バイオリン製作をされている日本人の方です。

イザイスクロール
メジャーなバイオリン製作コンクールで優勝された事もあって、その筋では結構有名な方です。
注文してから届くまで3年半くらいかかりました。

製作家というと、何となく気難しいイメージがあったりしますが、菊田さん、実際にお会いすると非常に気さくな方。
注文製作だと、出来上がってくる楽器がどんな仕上がりになるか気になりそうなものではありますが、菊田さん製作の楽器、何本か弾かせて頂きましたし、製作にかかるまでや、実際に作っている間も色々と相談に乗って頂いたりしましたので、安心してお任せできました。
実際、出来上がって来た楽器は、想像以上に良かったですし(うれしいです〜)

イザイ裏
その菊田さん、制作作業のお忙しい合間をぬって、なかなか楽しいブログを書いておられます。
ブログ中、私の楽器の製作途中の写真を載せて頂いたので、待っている間もその過程を楽しめたことも嬉しかったです。

菊田ヴァイオリン工房 製作記と日記

ちなみに、私の楽器製作に関する記事のリンクです。
ガルネリモデル、「イザイ」の製作
イザイ・ガルネリ 横板
イザイ・ガルネリ その後
ミニカンナと、、コンクール参加
イザイ・ガルネリ アーチとエフ
イザイ・ガルネリ その後 そして再放送のお知らせ
共同製作プロジェクトの紹介と、イザイガルネリ、その後。
新作バイオリンの音のご紹介。
弦楽器フェアのご報告

他の記事も、音楽好き・楽器好きにとって、興味深い内容満載です。是非ご覧下さい〜

イザイ顎当て
posted by かとう at 18:46| Comment(0) | バイオリン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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